土佐山地域

土佐山地域

オーベルジュ土佐山ができるまで

土佐山には、 おいしい食材を届けたい、美しい産品を届けたい、
という村人たちの想いから生まれる、自慢の特産がたくさんあります。

『地域で学ぶ、これからの在り方』高知大学 地域協働学部

2019 .01 .21



土佐山では、実習のフィールドとして定期的に通っている、高知大学地域協働学部のみなさんとの交流が育まれています。この日は、毎年12月に中川地区で開催しているイベント「棚田キャンドル」に向けて、竹灯篭づくりが行われていました。地域協働学部としての実習の意図や、学生たちの地域での活動内容などについて、担当の先生と3年生を中心にお話を伺いました。(2018.11.24)

地域協働リーダーを育成していきます。

地域協働学部*1で、六次産業化論という授業を担当している霜浦森平先生は 、地域が抱える経済・社会課題を、住民と大学で協働しながら解決していくことが、学部の大きな柱になっていると語ります。特に実習を通して、実際に現場で体験することで、ともに協働方法を学ぶ場をつくってきているそうです。

*1「高知大学 地域協働学部 地域協働学科」


長年、農業経済学に取り組んできている、霜浦森平先生

——— 学部設立から4年目とのことですが、学生さんたちにはどのような成長が感じられますか?

霜浦先生 「実習時だけに限らず、実習外でも自ら地域に足を運び、住民の方たちとの関係性を育みながら、だいぶ主体的に動くようになってきています。今回の竹灯籠作りは、当日の段取りも含めすべて3 年生が自主的に企画をしていて、僕は何もしていないくらいです。」


灯籠作り用に、まずは土佐山の竹林から竹を伐採しました。

実習先には、土佐山のほかに、黒潮町、仁淀川町、いの町、佐川町、高知市、大豊町、香南市など高知県内各地にいくつかのフィールドがあるそうです。土佐山実習班は、6名の3年生(筒井祐吏さん・矢野光孝さん・田中友之さん・角井悠太さん・田中慎太郎さん・水口真知さん)が中心となって活動しています。

土佐山実習班のリーダーである筒井さんは、高知追手前高等学校吾北分校の出身。地域社会に貢献できる人材育成を軸としている学校で、地域に関わる授業があったことをきっかけに、地域づくりに興味を持ち、地域協働学部を志望したそうです。


高知県いの町(旧吾北村)出身の筒井祐吏さん

地元が、好き。

——— いくつかある実習先の中から、なぜ土佐山を選んだのでしょうか?

筒井 「地元が、土佐山と同じような山間地域で環境が似ていることもあり、土佐山での学びを地元にも還元できると思って選びました。」

誰もが顔見知りで小さい村なので、気を緩めることができず大変なこともあるが、地元を自分から切り離すことはできないそう。地元の人たちと地域を盛りあげる活動もしながら、地元に若い世代を呼び戻そうと頑張っています。

そして、竹灯籠作り企画を率先して進めてきた矢野光孝さんは、日高村で生まれ育ち、子どものころから太刀踊りをやっていたことから、地域文化の存続に興味が元々あったと振り返ります。


高知県日高村出身の矢野光孝さん

イメージしたものが形になると楽しい。

——— 今回の竹灯籠作りも含め、みなさんチームワークがとても良さそうですが、矢野さんはどんな役割を担っているのでしょうか?

矢野 「縁の下の力持ちのような役割を担っています。小さい頃から家業であるお茶農家や農業振興会、青年団などの集いで、大人と接することが多かったので、 知識や技術の引出しが自然と豊富になり、地域の力になれる機会が多いように思います。土佐山には、実習以外でも遊びによく来ていたので、地域の人たちとのコミュニケーションも増え、そこから竹灯籠作りなどのアイデアも生まれてきています。」

また、矢野さんは模型づくりが好きだそうで、趣味の仲間と過ごす時間も楽しいと語ります。地域での活動とも似ていて、利害関係のないつながりがとても大事だと。今まで培ってきた活動のおかげで、様々なことに対応できる幅が広がったそうです。


山に囲まれなら、竹灯籠づくりをしている土佐山実習班のみなさん。


地域の人たちにやり方を教えてもらいながら、竹に模様を入れている1年生。

 

高知市出身の田中友之さんは、学部に入ってから初めて土佐山を訪れ、里山の奥地にオーベルジュ土佐山があったり、地域のお母さんたちに美味しいご飯を頂いたりと、土佐山の魅力を知ったと語ります。


高知市出身の田中友之さん

楽しくなかったら、活動は続かない。

——— 土佐山の印象について教えていただけますか?

田中(友) 「地域コーディネーターの方が言っていたのですが、何をするにも楽しくなければ、続けることは難しい。土佐山の人たちは、イベントの企画をするのも準備をするのも、まずは自分たちが楽しむところから始めています。持続的な活動をするためには、楽しむことが大切なのだと僕たちも実感しています。」

また、長期的に土佐山で活動する人を増やしていく仕組みづくりとして、「とさやま夢日和」という学生団体をつくったそうです。大学の実習として取り組むだけではなく、卒業後や地域協働学部外の学生たちなど、枠を超えた幅広い関わり方を彼らは提案しています。

卒業後は、地元である関西地方に戻るつもりと話す角井悠太さんは、土佐山が活気に溢れていて、特に草刈り時の労力を惜しまない姿に驚いたようです。


奈良県出身の角井悠太さん

躊躇わずに、いろいろな視点をもちたい。

——— 土佐山の実習で楽しかったことを聞かせていただけますか?

角井 「地域イベントでブース出店をしたのですが、企画の段階からすべて任せて頂いて、自分たちで実践できたことが、大きな経験となりとても楽しかったです。」

角井さんたち3年生は、もうすぐ実習期間を終えてしまいますが、これから地域協働学部に入学する学生たちには、躊躇わずに色々な人たちと関わっていってほしいと語ります。活動範囲を初めから固定せず、幅を広く様々な視点で挑戦していってほしいと。


中川地区の環境整備に参加し、お餅作りを体験しました。


棚田キャンドル開催後は、役割分担をし、みんなで後片付けをしました。

 

「地域活性化」という言葉が流行りになっている中、土佐山は、行政員自らが地域の一員となって活動することで、行政主体ではなく、地域主体で動いていることが印象的だったと力強く話すのは、神奈川県出身の田中慎太郎さん。


神奈川出身の田中慎太郎さん

無理に、活性化する必要はない。

——— 大学卒業後のことを良かったら聞かせてください。

田中(慎) 「好きな土地で、好きなことを生業にしていきたいです。中学の修学旅行で、周防大島で民泊したことがあるのですが、都会とは時間の流れが全く違く、いつか離島に定住してみたいと思っていました。なので卒業後は、周防大島や小豆島など離島の町役場で働きたいと思っています。」

また、土佐山の未来像については、周りの動きに惑わされずに、今までのように住民主体に独自で発展していったらいいなと語ります。外からの移住の動きも必要だけれど、地域内の人を外に出さないことも大切ではないかと。

土佐山には、地域での学びを軸としている小中一貫教育学校「土佐山学舎」が数年前にできたことや、地域活動に積極的に参加する子どもたちもいて、地域内での画期的な学びに期待が集まっています。

高校生の時に、人形浄瑠璃を部活でやっていた水口真知さんは、衰退しつつある文化を元気にするための解決方法を学びたいと思い、徳島から地域協働学部のある高知へとやって来たそう。実習でたくさんのことを経験してきたが、文化を盛り返すにはまだまだ力不足な実感があり、卒業後は、公益財団法人で文化振興活動をしている団体など、解決方法を学べる場で働きたいと話します。


徳島県出身の水口真知さん

今のまま、あり続けてほしい。

——— 土佐山には、これからどのような地域になっていってほしいですか?

水口 「地域の人たちからは、あらゆることを楽しんでやっていこうよ、という前向きな姿勢を感じられて、土佐山に来るのが私はいつも楽しみです。今と変わりすぎない土佐山を見たいと思います。今までのように、また美味しいゴハンを食べに来たい、地域の人たちに会いに来たい、鏡川に遊びにいきたい。土佐山らしさのある今のまま、あり続けてほしいです。」

 

大学生のみなさんからは、まっすぐな志と明るい未来への眼差しを感じました。そして、彼らが地域に入って積極的に活動することで、住民の方たちも元気になり、地域がより活気に満ちているように思います。

「棚田キャンドル」で美しく輝く竹灯籠。

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< お話をうかがった人 >
高知市土佐山実習班
霜浦 森平 (しもうら・しんぺい)/教員/京都府出身
筒井 祐吏(つつい・ゆうり)/3 年生/高知県いの町(旧吾北村)出身
矢野 光孝(やの・みつよし)/3 年生/高知県日高村出身
田中 友之(たなか・ともゆき)/3 年生/高知県高知市出身
角井 悠太(かくい・ゆうた)/3 年生/奈良県出身
田中 慎太郎(たなか・しんたろう)/3 年生/神奈川県出身
水口 真知(みなくち・まち)/3 年生/徳島県出身

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