【蟋蟀在戸】 柿の実の朱

2019 .10 .19

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寒露(かんろ) 

第五十一候 蟋蟀在戸 (きりぎりすとにあり)

蟋蟀とありますが、この候に登場するのは「ギーッチョン」と鳴くキリギリスではなく、夏から初冬によく見られるツヅレサセコオロギだと思われます。秋も深まった頃、リーリーリーと鈴のような音色を響かせる、あの虫です。昔の人は繕いものをしながら、その音を「肩刺せ、裾刺せ、綴れ刺せ」と聞いたのだとか。秋の夜長、蟋蟀の歌に促されて冬支度を急ぐ情景が思い浮かびます。

柿の実の朱(あか)

「一雨一度」という言葉があります。秋の今ごろは一雨降るたびに気温は1度下がるという訳です。この言葉、なかなかに自然を取りまく季節の見方をとらえているように思います。花の色の美しさは昼と夜の温度にあるという説があります。確かに秋の野山で見る花は、リンドウをはじめ色鮮やかなものが多いようです。色鮮やかといえば、秋晴れの中に見る赤く熟した柿の実は趣があります。さらに秋が進み収穫が終わった後、一つだけ枝に残る「木守り柿」などは秋の趣を一段と強く印象づけます。柿の朱色はカロチロイドの色素によるものですが、艶といい色といい秋の風物として調和が美しく、柿右衛門がこの色に魅せられた気持ちが分かるようです。

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